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痒い!症状から見抜く猫の皮膚病は?自宅でできる予防法と治療法

   

「猫がカラダの同じ所をひっきりなしに掻いている。」
「近づいて見ると皮膚が赤くなって、しかもブツブツしている。」

こんな場合は、ネコちゃんが皮膚病になっている可能性が高いです。

ここからは猫の皮膚病の症状や考えられる病気、予防法や治療法について紹介しますので、獣医師さんに伝える場合の参考にしてくださいね。

 

猫の皮膚病の種類

猫の皮膚病の原因には主に以下の3つが考えられ、れぞれの原因が合わさって、皮膚が炎症を起こすこともあります。

・細菌感染が原因で起こるもの
・寄生虫が原因で起こるもの
・アレルギーが原因で起こるもの

猫の皮膚病は、細かく分類すると200種類以上にもなるそうです。

また皮膚が荒れる原因にあった治療を行う必要があり、動物病院で診察や治療してもらうことが、愛猫が苦しまない安心な方法です。

次に紹介する症状で1つでも当てはまるものがあれば、念のため獣医さんに診てもらってアドバイスを受けることをオススメします。

 

どの皮膚病なのかを見抜こう

猫は家の中で飼うのが大半なので、皮膚病にかかった原因や病気はある程度、推測することができます。

はじめに注目すべき点は、「いつから痒くなり始めたか」ということです。

【ケース1】痒くなり始めてから、皮膚に異常が見られるようになった
【ケース2】皮膚に病変が生じてから、痒くなり始めた

【ケース1】皮膚が痒い ⇒ 皮膚に病変
この場合、痒くなる前の皮膚は正常だったということです。

つまり、原因は皮膚以外にあって、その多くはアレルギーが原因と考えられます。

【ケース2】皮膚に病変 ⇒ 皮膚が痒い
この場合、皮膚に起こった異常が原因なので、その原因を突き詰める必要があります。

【今後の治療に大切なこと】痒くなるのが先か、皮膚の異常が先か?

どちらが先かを思い出してみて、原因がアレルギーなのか、寄生虫や細菌が原因なのかをはっきりさせましょう。

 

1.細菌による皮膚病

 
「細菌が原因の皮膚病」といっても様々な種類があり、病院で検査をしてもらない限り病名を特定できません。

とはいうものの症状などからある程度推測することができるので、愛猫の状態と照らし合わせながら病気の具合を確認してみてください。

 

①膿皮症(のうひしょう)

猫の皮膚病のなかでも、膿皮症は良く見られるケースです。

膿皮症は、皮膚表面に菌が繁殖して、化膿してしまった状態で、初期の段階では、皮膚の表面に小さな発疹が生じます。

ブツブツの症状が重くなるにつれて患部が広がって、痒くなってくる。

その後、黒くなったり、かさぶたや膿(うみ)が出てくるのが猫の代表的な皮膚病「膿皮症」です。

こんな症状がでたら「膿皮症」を疑おう

・痒みがある
・赤く化膿している
・斑状に脱毛している
・発疹(ブツブツ)ができている

「膿皮症」の原因とは?

病原菌となるのは、「ブドウ球菌」と呼ばれる細菌で、人間や動物の皮膚のあらゆるところにいる常在菌で、普段害を受けることはほとんどありません。

でもカラダの免疫力が低下すると、異常に増殖して膿皮症を引き起こすので注意が必要です。

「膿皮症」の治療法や対処法は?

皮膚の表面あたりで症状が出ている場合は、局所的な治療が行われます。

具体的には、ヨウ素などを含んだ温水に病変部を10分間ほど浸けたり、抗菌作用のあるクリームなどを塗って治療します。

皮膚の深いところや、患部が広範囲に及ぶ場合は、抗生物質を投与します。

治療は比較的期間が長くかかり、3~6週間ぐらい継続して行う必要があります。

(膿皮症に限らず、皮膚病の治療は完治するのに時間がかかります)

 

②皮膚糸状菌症

皮膚糸状菌症は、真菌(カビ)が体内に侵入し、増殖することで発症します

かゆみや脱毛などネコちゃんにとっても辛い症状が現れて、痛んだ皮膚から細菌が入り二次感染などを引き起こす恐れもある病気です。

こんな症状がでたら「皮膚糸状菌症」を疑おう

・痒みがある
・円形に脱毛している
・発疹(ブツブツ)ができている
・乾燥したフケが発生
・かさぶたができる

「皮膚糸状菌症」の症状は?

感染後1~4週間で症状が出始め、初期段階では毛が束になって抜け落ちたり、小さいスポット状にぽつぽつと脱毛が始まります

糸状菌症の大きな特徴は、円形の脱毛が広がっていくという点です。

それは脱毛部分とその周りの毛の境目の部分に真菌(カビ)があり、活動しながら境界部分からどんどんと外に広がっていくためです。

脱毛の周辺にかさぶたができることもあり、患部にブツブツの発疹が出る場合もあります。

痒み自体はさほど強いものではありませんが、不快感や痒みがあるので、ネコちゃんが脱毛部分を掻きむしって悪化してしまう場合もあります。

※猫からヒトに感染することもありますが、糸状菌は熱に弱いので、感染しても24時間以内に入浴すれば問題ありません。

「皮膚糸状菌症」の原因は?

皮膚糸状菌症は、すでに感染している猫と接触することで感染する「接触感染」でおこります。

健康なネコちゃんであれば発症するケースは少ないですが、子猫や免疫力が低下している老猫などは発症しやすくなります。

「皮膚糸状菌症」の治療法や対処法は?

猫の皮膚に増殖した真菌を取り除くために、真菌を除菌できるシャンプーによる洗浄が行われます。

また真菌に作用する内服薬が処方されて、カラダの免疫性を高めて、炎症を回復させるのが主な療法です。

皮膚糸状菌症は完治に期間が必要で数週間~数か月の間、根気よく病院に通う必要があります。

皮膚糸状菌症になったネコちゃんの皮膚から真菌を駆除するのはもちろんですが、生活環境を改善して真菌を取り除くことも大切です。

ネコちゃんの免疫力を下げてしまう要因になりがちの寝床などもを清潔に保って、糸状菌症の再発を防いであげましょう。

脱毛やフケ、痒みなど、皮膚に少しでも異常を見つけたら、念のため病院で診てもらうようにしてくださいね。

塩素系漂白剤は皮膚糸状菌に有効だと認められていて、安くて治療できると言われています。ただし、ネコちゃんには刺激が強いため使用できません。間違った自己治療で悪化させないためにも、病院で治療してもらいましょう。

 

2.寄生虫による皮膚病

ノミやダニなどの皮膚につく寄生虫が原因で皮膚に異常が起きる症状について起こる皮膚病です。

猫に寄生するダニが、皮膚に侵入することで起こる皮膚病なので、ダニを発生させないことが大切です。

寄生虫によって症状も変わり素人目には判断が難しいですが、愛猫の状態と照らし合わせて原因を探り、ネコちゃんの住環境を改善してあげてください。

①ツメダニ症

ツメダニ症は、「ツメダニ」というダニが皮膚に侵入することで発症する皮膚病で、痒みを伴います。

感染している他の猫から接触感染して、発症するケースがほとんどです。

大量のフケが発生しやすいのが特徴なので、ネコちゃんが同じ場所を掻き続けているときに、毛をかき分けてフケがないかどうかを確認してみてください。

こんな症状が出たら、ツメダニ症を疑おう

・痒み
・大量のフケ
・脱毛
・発疹

 

②疥癬(かいせん)

寄生虫の一種のヒゼンダニというダニが、皮膚に侵入することで起こる皮膚病です。

皮膚に炎症が起こって、激しい痒みを伴うのが特徴で、気付かずに適切な治療をしないと、掻きむしって出血や炎症が酷くなるなど、症状が悪化すると治療が長引いてしまいます。

疥癬の原因は、すでに感染している他のネコちゃんとの接触感染によって引き起こされます。

こんな症状が出たら、ツメダニ症を疑おう

 ・痒み
・発疹
・フケ
・かさぶた
・食欲不振

 

3.細菌やカビが原因で起こるもの

①白癬(はくせん)

カビなどを含む真菌(カビ)の一種、人間の水虫と同じ種類の真菌による皮膚糸状菌が原因で、円形に脱毛する特徴があります。

感染した他の猫ちゃんから感染し、抜け落ちた毛からも感染するので、部屋や寝床の掃除や消毒をキレイにして、ストレスの少ない環境で育ててあげましょう。

免疫力があるなら2か月ほどで自然治癒が見込めるので、日ごろから免疫力を高める食事にも気を付けてくださいね。

こんな症状が出たら、ノミアレルギー性皮膚炎を疑おう

・痒み
・脱毛
・発疹

 

4.アレルギーが原因で起こるもの

TeamK / Pixabay

最後に、細菌やダニによるものではなく、アレルギーによって皮膚に異常が起きるアレルギー性皮膚炎についてです。

 

①ノミアレルギー性皮膚炎

ネコノミというノミの唾液中のタンパク質などに反応して、かゆみなどが起こるアレルギー性の皮膚炎です。

すでに感染している他の猫から感染するケースがあり、背中などに脱毛やブツブツした発疹があらわれます。

部屋の畳やカーペット、布団、ソファー、マットなどをこまめに掃除して清潔にしておき、ノミの卵や幼虫、サナギを駆除することが大切です。

特にペルシャとヒマラヤンがかかりやすく、人間にも移ると言われているので注意が必要です。

こんな症状が出たら、ノミアレルギー性皮膚炎を疑おう

・痒み
・円形の脱毛
・発疹

 

②その他のアレルギー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎は、フードの成分や材料が合わなかったり、人間と同じように花粉アレルギーといった特定の物質に反応を起こすことで発症します。

またハウスダストやタバコの煙など、飼い主さんが気を付けてあげれば事前に解消できるものもあります。

アレルギーの原因になるアレルゲンは無数にありますが、病院で検査してもらえばアレルゲンを特定できるので、かかりつけの獣医さんから適切な治療を受けさせてあげてくださいね。

 

まとめ

猫の皮膚病は、命に直接関係することが少ないためか軽く見られがちです。

しかし、毛でおおわれている猫は人間以上に悪化する環境になりやすく、ネコちゃんにとっては辛い症状であることには違いありません。

軽症であっても治療期間は長く、脱毛など重症になってしまうと毛並みが揃うまでには治療費もかかります。

悪化すればするほど取返しが付かないことになるので、決して自宅で治そうと思わず、皮膚や毛並みに異常が見られた場合はすぐに病院で診てもらってくださいね。

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